ものづくりは競争によって磨かれる

こんにちは、ポップジャパンの開です。

今回は、ポップジャパンも会員となっている「広島自動車産業開発技術力向上研究会」で取り組んだ「Ene-1プロジェクト」について、事務局である広島市ものづくり支援課の方に研究会の発足経緯や取り組み内容などを取材しました。

Ene-1って何?見どころは?

全国的な大会はツインリンクもてぎ(栃木県芳賀群茂木町)と鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)の2ヶ所で開催。

単三形充電池40本で動く簡易電気自動車で走行する競技。

一般的な単三電池を使用すると聞き一気に身近なものに感じます。
競技中は同じ電池を使用し続け、途中充電することはできない為、電池の使用配分やペース配分をチームで考えながら走行する必要があります。

そして2ヶ所の会場ではそれぞれコース特性が違う為、競技内容が少し異なります。

ツインリンクもてぎ
1周のタイムアタックの順位によるポイント」+「耐久レースの順位によるポイント」の2つの総合ポイントで競技。
タイムアタックで1周完走できなかった車両は耐久レースに出場できない為、タイムアタックで無理をしてゴールできなかったら結果は残らない。しかしタイムアタックで上位でも耐久レースで順位が低いと総合結果は上位になりません。

鈴鹿サーキット
耐久レースは開催せずタイムアタックを数回行い、総合順位を競う。

ツインリンクもてぎ

鈴鹿サーキット

競技に参加するための車両は手作りされ、様々なフォルムの車両が並ぶ為どこか近未来的なものに感じる雰囲気。

そして、レース結果だけではなく1からの車両作りをする為、各チームがこれまで培ってきた知識や創造力を存分に働かせ、競技に挑むのが見どころです。

 

Ene-1 Challenge in Hiroshima

今回新型コロナウイルス感染症の影響で公式レースが中止になってしまいましたが、鈴鹿出場を目指されていた広島地域3チームが活動の成果を発揮する場として地域での走行会『Ene-1 Challenge in Hiroshima』をTSタカタサーキット(広島県安芸高田市)で開催。

県立技術短期大学校 制御技術科のEv.-Project

広島工業大学のHit-Ev

広島自動車産業開発技術力向上研究会のTeam Heat

 

チームが参加。

Ene-1 Challenge in Hiroshimaでは1500mのコースを3周(計4500m)でタイムアタックを行い走行タイムを競う。

Team Heatの車両の最高速度は約42.3km/h
ほぼ仰向けの体勢で車両に乗り込み操縦するため地面に近く、視界が狭くなるためスリルがあります。


そして、広島自動車産業開発技術力向上研究会のTeam Heatの車両にはポップジャパンの社名が!!!

今回ポップジャパンも会員企業として、研究会のメンバーとして車両製作はもちろん、車両に貼るステッカーの制作・デザイン・配置に携わってまいりました。

研究会になぜ畑違いのポップジャパンが?

平成29年度に広島市経済観光局 産業振興部 ものづくり支援課が、多面的企業力向上研修会(MFD)事業を開始。

広島広域都市圏内の自動車関連企業を始めとしたものづくり企業が抱える課題解決に取り組むことで、生産技術力の強化を図るとともに、将来的に提案型企業を目指すことを目的としています。

この事業にポップジャパンも平成29年・平成30年の2年間支援をうけて、製造現場の改善活動を実施しました。

さらにMFD以前から交流があり、最初に「いきいき体操ベルト」の開発を他の企業と行いました。

コロナ禍で家にいる時間が増えた中、室内の省スペースで運動ができる為問い合わせが増え、
「いきいき体操ベルト」は完売致しました!

カープコラボに上手く乗れなかったグッズとして紹介されたこともありましたが、お客様の声をダイレクトに感じ、その後の商品開発のヒントとして経験を活かすことが出来ていると感じます。

このようにMFDでは自動車関連だけに限定せず、ポップジャパンのようなのぼり旗製造・販売業種や、木材加工や食品製造業などMFDの活動は色んなところから企業を多面的に支援しています。

その後MFDにより、生産技術力向上をはかった企業が集まり、今度は開発を行う力を向上させる為に、研究会を発足させることになり、これにポップジャパンも参加することになりました。

Ene-1 のきっかけ

開

Ene-1プロジェクトに取り組もうと思ったきっかけはどこにあったのでしょうか?

ものづくり支援課
ものづくり
支援課

MFDメンバーの集まりで、最初は「簡易電気自動車の仕組みを勉強しながら、各企業の開発技術力を向上しよう」という目的で各企業の技術力・開発の向上を目指すために研究会を平成30年度に立ち上げました。

開

その後はどのようなスケジュールで進めたのですか?

ものづくり支援課
ものづくり
支援課

はい、平成30年度から勉強会をはじめ、少しずつ車両製作に取り組みました。

平成31年度には車両作りを始め、11月開催のEne-1 GP MOTEGI出場目標に初号機を製作しました。

開

もてぎでのレース結果はどうでしたか?

ものづくり支援課
ものづくり
支援課

1部のタイムアタックレース終了後に電気回路のショートにより棄権する結果となりましたが、3年目の改良車両へはいい経験となりました。

開

そうなんですね。改良は具体的にどのような取り組みをされたのでしょうか?

ものづくり支援課
ものづくり
支援課

初号機ではシャシーに剛性が低く母材だけでは座っているとたわんでしまう、車体に貼ったステッカーがはがれてしまうなど様々な課題が見えました。
令和2年度に製造する2号機では、バッテリー部分をハンダ付けする等強化、シャシーを強度のある素材に変更、3D分析を行いシャシーの構造を改良、ステッカーがはがれにくい素材のものを使用するなど、各企業と協力し、得意分野を活かして次に開催されるEne-1 Challenge Suzuka出場に向けて改良し2号機を製作し始めました。

開

立ち上げの目的にもあるよう、課題解決の為にさらに開発技術力の向上を図ることができたんですね。

ものづくり支援課
ものづくり
支援課

はい。ですが、コロナウイルスの影響で鈴鹿サーキットとツインリンクもてぎでの大会は中止。しかし技術力向上の為車両製作を続け、成果を発揮する場としてEne-1 Challenge in Hiroshimaを開催することになりました。

開

ドライバーは資格を持つ方がされるんでしょうか?

ものづくり支援課
ものづくり
支援課

ドライバーに特別な資格は必要ありません。ドライバーテクニックも必要ですが、55kg以下の細身の体型の方が有利とされています。

 

結果・成果

ものづくり支援課
ものづくり
支援課

目指していた大会が中止になったのは残念ですが、レース結果だけでなく普段企業がやらない車両製作にチャレンジすることを通して各企業の技術開発がアップし、目的は達成できたと感じています。
また、LINEグループでお互いの記事を紹介し合うなど、企業同士の繋がりも強くなりました。

各社が今回の簡易電気自動車製造からEne-1 GP出場までの3年間で経験されたことを、今後の本業でも生かして欲しいと考えています。

開

ポップジャパンもこの取り組みに参加できて、課題解決・改善への取り組み方・考え方を教わって推進した結果、作業の標準化時間コストの削減を図ることができました。
本日はありがとうございました。

ものづくり支援課
ものづくり
支援課

ありがとうございました。

 

まとめ

取材の中でも印象に残った言葉は「ものづくりは競争によって磨かれる」という言葉。
競争により悔しい思いや楽しい思いを経験することによって、では次にどこに問題があってどう改善したら良いのか考える力になります。
結果ももちろん大切ですが、過程やその後の支援も大切にされていました。

次回予告

広島県私立ほうりん幼稚園へ取材!

園児からは折り紙のプレゼントをもらいました!

 

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