こんにちは、ポップジャパンPRチームの酒井です。
雪がちらちらと舞い、寒さも本格化してきたのを実感しますね。
さて、そんな日に食べたいものといえばホッとするお味噌汁や温かいお鍋、なんて方も多いかと思います。
今回はそんなお味噌やお鍋のプロ、よしの味噌株式会社にお邪魔しました。
呉地域ではもっとも古くから営業されている老舗の味噌蔵元なのですが、実は話題のあの商品の開発元でもあるんです。
その商品がこちら。
広島れもん鍋、どこかでご覧になったことありませんか。
発売以来、全国放送のテレビでも頻繁に特集されるような商品で、広島を代表するようなグルメの一つとなっています。
開発や販売に至るまでの道のりなど、いろいろ深掘りしていきますよ!
また、年末年始のお土産におすすめの商品も伺ったので手土産の参考に。
あ、今回もお酒飲んでます。
大正から紡いだ会社の歴史と広島れもん鍋の誕生
お話を伺ったのは代表取締役の野間さん。
本日はよろしくお願いします!
テレビで御社の商品が取り上げられていたのを見て、その商品開発や商品に込めた思いについて知りたいと思い、取材に伺いました。
早速なんですが、よしの味噌株式会社は大正時代に創業されたとか。
ここまでの会社の沿革についてざっくりと教えてください
よろしくお願いします。
まず、よしの味噌(当時は野間資郎商店という店名)は大正6年(1917)に創業しました。
私の祖父の野間資郎が米穀商を経て、味噌や醤油、酢などの発酵調味料の製造を始めたんです。
なので、今年で創業106年ですね
106年!
大正と聞くとなかなかイメージが湧きにくいですが、数字で言うと途方もない数字ですね。
では一世紀にわたって会社も変化していくわけですね
時代の移り変わりが常に経営の中にありました。
例えば、戦時中には呉海軍工廠へ味噌を納入したり、高度経済成長の只中1963年からは広島経済連の味噌委託製造を開始して製造や販売の量を増やしていったり。
それから平成13年になって今のよしの味噌株式会社という法人を設立したんです
では、その時々に求められた商品を提供してきたわけなんですね。
ここまではトントン拍子、という風に伺えるんですが長い歴史の中で苦しい時期というのも多少はあったのでは?
もちろん、苦しい時期はありましたね。
これもまた時代の移り変わりの中で、食文化の変化・多様化というものが起きました。
日本人の食文化が欧米化していったんです。
それに伴ってお米の消費量が減り、味噌の消費量も同様に減っていきました。
一時は廃業もやむなし、というところまで追い込まれたんですよ
食に関わる産業ならばそういった消費者の好みの変化が直接的に経営に影響してしまいますよね。
それでも今日まで事業を継続されている、ということで何か大きなターニングポイントがあったとお見受けします
そうです、それが2012年のこと。
広島県が中心となって県の特産品をアピールする「おしい!広島県」というキャンペーンが実施されたんです。
それを機に、味噌を作るうえで培ってきた醸造技術と特産品の「レモン」を融合させた発酵調味料開発に乗り出したんです
「おしい!広島県」というと広島県にはさまざまな観光資源や特産があるのにも関わらずイマイチ全国的に知れ渡っていないという口惜しさを押し出したキャンペーンですよね。
思えば、あのキャンペーンから広島のレモンや牡蠣がメディアでも大きく取り扱われるようになったような気がします
当社も地域の特産に関してより魅力を伝えていかなければならない、という意義を感じていたのでこのキャンペーンと事業の転換はマッチしていたように思います。
それから、その翌年のこと。
開発した「広島れもん鍋のもと」が全国で取り扱っていただける、よしの味噌初のヒット商品になったんです
「広島れもん鍋のもと」は全国各局のメディアが大きく取り扱っていますもんね。
取材の数日前にも地元メディアが紹介していましたし、かなりロングスパンで売れる定番商品
へと変化していった感じですね
れもん鍋の販売についても最初は苦労があったんですけどね。
大きく取り上げていただけてありがたい限りです。
それかられもん鍋のヒット後も広島県産のレモンを原料とした発酵調味料開発に注力して、現在のラインナップに至っています
お店を見渡しただけでもかなり多くの商品を開発されたのが分かります。
れもん鍋の苦労についても知りたいですね!
ヒット商品と聞くと順風満帆というイメージがありましたがどういった苦労をされたんでしょうか?
まず、問屋から「そんな商品は売れない」とはっきり言われてしまったんです。
当時は今よりも食卓からレモンが遠かったんですよね。
酒井さんも考えてみて欲しいんですけど、レモンってどうやって使いますか?
うーん、私はあんまり料理をしないので揚げ物に絞る、くらいしか思い浮かばないですね
まさに。まさにそうなんです。
当時はレモンを料理に用いるとしても「揚げ物に絞る」くらいの用途しか想像できなかったんですよ。
だから、広島れもん鍋も味の想像ができないし売れないだろう、と言われてしまったんです
なるほど、言われてみると確かに。
特に当時は初めて広島れもん鍋という商品を知っても、レモンと鍋が直接的に結びつきづらいかもしれないですね。
それが多くの方に買ってもらうには障害になる、問屋の方がおっしゃったということもまた一理あるかと思います。
ですので、その偏見というか当時の一般的な用途以外のレモンを皆に知って貰わなければならない、という地点から広島れもん鍋の販売はスタートするんです。
まずは実際に食べてもらうところからですよね
確かに食べておいしければリピートしたくなりますからね
そこで地元のスーパーやデパートに頼んで試食販売をスタートしました。
実際に買い物をされる方に食べてもらえばその魅力が分かってもらえるかと
そうやって現場で人の手に渡れば様々なものが見えてきますもんね。
じゃあその試食販売を機に広島れもん鍋はブームに?
いやぁ、それがそうもいきませんでした。
まず立ち止まってくれないんですよ。
さっきの通り、消費者の中でレモンと鍋が結びつかなかったんでしょう
それじゃあ、広島れもん鍋もピンチじゃないですか。
でも、ここからの大逆転があるわけですね?
そう、立ち止まってくれないなら立ち止まらせればいい、そう考えたんです。
鍋のもとを買う多くの方は家族連れじゃないですか?
ならその子どもを立ち止まらせればいいんだ、と
子どもをターゲットにして試食販売を行うことで、その親も一緒に立ち止まって試してくれる、ということですね。
でも子どもをターゲットにするとしてもどういった施策を打てばいいのか見当もつかないです
何か変わったことをしていると思ってもらうために販売員がレモンの被り物をしたんです。
あと、地元のよしみでユニコーンの川西さんにご紹介いただいたアーティストさんに広島れもん鍋のテーマソングを作って貰って売場で流したんですよね。
すると売場で何かやっているって分かりやすくなるじゃないですか
試食販売をするにしても何をしているんだろう? と思ってもらった方が注目を得やすいですもんね。
それだけ派手にやれば子どもも寄って来ちゃいますよ
そうなんです。
それが上手くはまって、子どもが近くに立ち止まってくれるのでその親御さんも試食をしてくれたんです。
そこからは口コミやリピートで購入してくれる方が増えていったんですよ
素晴らしい作戦勝ちですね。
商品開発の拘りとターゲティング
先ほどからお伺いしていると、時代に合わせた変化が巧みだなぁと感じました。
それでも、そんな変化の連続の中でも味噌蔵元として変えたくない部分や矜持ってありますよね。
そういったこだわりについてもお聞かせください
やはり、もともと味噌造りで培っていた技術というのが我々にとってプライドであり柱であると思っているんです。
醸造や麹造りなど、味噌造りで通ってきた道をそのまま新商品の開発にも活かす、というのがこだわりですかね
やはり、今までの技術というものは大切に守っていきたい、とお考えなんですね
そうですね。
例えばこの発酵れもん胡椒も発酵技術を用いた商品開発で生まれた人気商品なんです。
実は現在のよしの味噌で一番の人気商品はこれなんですよ
これも発酵という技術がキーワードなんですね。
パッケージもお洒落だし、すごく可愛らしいです。
そういえば先ほどのれもん鍋のもともそうなんですが、良い意味で老舗らしさがない今風なパッケージが多いですね。
これも何か意図やターゲットがあってなんでしょうか?
味噌の消費が減っていく中で、若い方に手に取って貰えるような商品を考えてきました。
そこで必要なのが雑貨屋さんなどに置いてあっても違和感のないパッケージだと思ったんです。
置いてもらえる場所が増え、これからの食卓を支えていく若い方たちにも届いていく、そんな商品になればという意識ですね
よしの味噌さんは販売にあたってのターゲティングが非常に明確ですよね。
れもん鍋の試食もまず子どもから親へ、発酵れもん胡椒も若い世代が手に取りやすいように雑貨屋に置いてもらえるデザインに。
大正・昭和・平成・令和と時代が変化していく中で時代に適応していく柔軟さとそれを可能にさせるターゲティング能力が成功につながっているのかなと思いました。
ありがとうございます。
我々のような規模の会社では大手企業が起こす価格競争にはついていけないじゃないですか。
だからそんな競争の激しい分野よりも自らで市場と価値を生み出していけるブルーオーシャンに漕ぎ出していくべき、というのが方針ですね。
例えば広島のレモンを使っているから我々はより香りの強い皮が使える、そういった細かな武器に気付いて届けたい先に知って貰うということが大事かなと思っています
中小企業が目指すべき地平とは、自らで立ち位置が作れる事業ですよね。
我々も商品開発において非常に勉強させていただいた気がします。
年末年始の手土産に! 製造元オススメの商品
さて、ここからは少し砕けた内容なんですが、そろそろ年末年始が近づいてきたということで手土産などの需要が高まってきていると思うんです。
そこで、よしの味噌さんのオススメ商品をご紹介できたらなと思うんですが、いかがでしょうか
そうですね、寒さも今後さらに強くなっていくことでしょうから身も心も温まる鍋のもと、親戚や家族と囲む食卓に調味料・お酒用のシロップがオススメです。
以下、オススメしていただいた商品です。
塩こうじの甘みとレモンの爽やかさが香る新定番
広島れもん鍋
瀬戸内の柚子とレモンの酸味が心地よい
瀬戸内柚子れもん鍋
こだわりの味噌と胡麻やショウガが冷えた体にベストマッチ
瀬戸内かきの土手鍋
日本の地中海瀬戸内と塩麹・レモンの出会い
レモン香る瀬戸内ブイヤベース
リピーター続出の一番人気
発酵れもん胡椒
ハイボールがお手軽にワンランクアップする新商品
ハイボールがさらに美味しくなる発酵レモン
レモンサワーもお手軽ワンランクアップする新商品
レモンサワーがさらに美味しくなる発酵ハニーレモン
ありがとうございます。
読者の方の参考になったかと思います。
取材後に私も何種か買わせていただきます!
ところで、酒井さんお酒飲まれますか?
ずっと飲み続けています
じゃあ、こちら商品のハイボールがさらに美味しくなる発酵レモンとレモンサワーがさらに美味しくなる発酵ハニーレモン、是非お土産に持って帰ってください
いいんですか!?ありがとうございます!
2023年で一番うれしいです!
記事で詳細にレビューさせていただきます!
今後の展望について
ではインタビューの最後に今後の展望についてお伺いしたいと思います。
これからよしの味噌株式会社として、どのような取り組みをしていきたいと思っていらっしゃいますか?
まずは今後も「特産品×発酵食」をテーマにした付加価値のある新市場創造型の商品の開発を行い、他社と争わず消費者の皆様に喜んでいただける商品づくりを目指していきます
自分たちで市場を作っていく、そういった新商品の開発を一人の消費者として私も楽しみにしています。
では、ここからは野間さんご自身の考えをお伺いしたいと思います。
野間さんの今後の展望は?
広島県の都道府県魅力度ランキングの順位をご存知ですか?(2023年は17位でした)
実は我々県民が思っているよりもずっと低いんですよ。
本当は上位の県にも負けない魅力が沢山あるのに。
「おしい!広島県」でもあったように、広島県の魅力はまだまだ伝わりきっていない、そして伝えきっていないと思うんです。
だから、私としては広島県をなんとしても都道府県魅力度ランキングの10位以内に入れたい! と思っています。
その為に尽力していきたい、というのが今後の展望ですかね
郷土愛もありますが、やはり伝達力の大切さを感じますよね。
広島県を発信するという役目は我々企業としても取り組んでいかなければなりませんね
やりがいとして、人生を楽しく生きていくうえでの命題として、これからも広島県の魅力と真摯に向き合っていこうと思います
微力ですが我々も何かお力添えできればと思います。
本日は取材にご協力いただきありがとうございました。
今後は売り場で見かける度に知り合いに商品を勧めて回ろうと思います
感想
というわけで今回は老舗の味噌蔵元、よしの味噌株式会社にお話を伺ってきました。
お話を通して感じたのは変化することを受け入れていくこと、そしてその変化に向き合っていくという企業の柔軟性の大切さ。
創業100年を超える企業ならばその変化の怖さはなおのことかと思います。
そこで恐れず、培ってきた技術を持って新たな分野に突き進んでいく、そんなよしの味噌株式会社の姿はどこか我々を勇気付けてくれるように思えます。
ポップジャパンもそろそろ創業50年、よしの味噌株式会社の半分ですがそういった挑戦していくメンタリティーを大事に今後も変化していこうと思います。
余談
さて、余談です。
取材にかこつけてちゃんと買い物をする、そして買ったものをちゃんとレビューする。
それが私の取材スタイル。
自宅で購入品を食べてきました!
でも写真は撮っていません。
何故なら沢山お酒を飲んでいたから。
ハイボールがさらに美味しくなる発酵レモン
まずはいただいた「ハイボールがさらに美味しくなる発酵レモン」から試していきます。
ラベルには、氷を入れたグラスにウイスキー1:ソーダ4:本品大さじ1(15g)と作り方が。
最近お気に入りのアイリッシュウイスキー、バスカーで作ってみます!
算数を今のところはっきり理解していないので、ウイスキー4:ソーダ5:シロップ1くらいになりましたが、問題無し!
ハイボールはどう割ってもうまいのだ!
ひと口、口を付けてわかるレモンの香り。
そして広がるレモンの酸味と皮の苦み、甜菜糖の甘み、一瞬でお店の味に早変わり。
これ、感動します。
味の奥行きがさらに広がるんです。
塩麹のちょっとした塩気が全体としての“キメ”を強調してくれて、お酒の味を締めてくれます。
すりおろしたレモンピールでシロップ全体がシャリシャリしているんですが、その口当たりの変化がどうにも嬉しい。
また、糖度の違いか粘度の違いか、飲み進めていくと多少グラスの下部にシロップが残るんですがこれ、長所です。
飲み進めていくうちに味わいが変化していく面白さ。
一応、調査のためにも別の銘柄のお酒でも試してみます。
スコッチウイスキーのグレンモーレンジィ。
バスカーと比較してやや癖があり、柑橘のような個性がある種類だと伺っております。
Googleが言ってました。
算数を理解していないのでやはりウイスキー4:ソーダ5:シロップ1になりました。
そして、実際飲んでみると。
やっぱり旨い!
先ほどのバスカーを飲みやすい食中酒とするなら、こちらはゆったりと飲むカクテルの様。
こちらの方がレモンの皮の苦みがより強く感じられてドライな印象です。
試飲に試飲を重ね、ボトルが半分空きました。
発酵れもん胡椒
発酵れもん胡椒はシンプルに鶏肉と合わせて試してみます。
簡単に焼いた鶏モモ肉に塩コショウのシンプルな味付け、そこにこちらのれもん胡椒を付けていただきました。
個人的な意見を言ってしまうと、柚子胡椒よりこちらのほうが好き!
辛味がマイルドなのでレモンの爽やかさが際立って鶏肉と最高に合います。
そして、その味付けがお酒にも最高に合うんです。
これ、本当に大ファンになりますよ。
一度試してほしい!
鳥皮みそ煮
こちらはよしの味噌さんのお味噌が原料に使われているという缶詰。
これは普通に普段から買っていますし、既にファンです。
でも企画にかこつけて買いました。
鳥皮とこんにゃくが味噌で煮込まれているんですが、これは疲れた体に染み入ります。
以下、私が酔いながらメモ帳にメモしていた文章です。
甘みと旨味、懐かしさと新しさ。
複雑だけど排他的じゃない。
ご飯にも合う、お酒にも合う。
そして、人生に合う缶詰です。
七福合わせ味噌
最後にいただいたのはやはりお味噌。
よしの味噌さんの伝統も味わっていきます!
こちらは翌朝に味噌汁にしていただきました。
思えば味噌汁を飲むのも久しぶりな感覚。
味噌の甘みと柔らかな香り、朝に優しい味。
旨味がギュッと凝縮された味噌は出汁が効いていて、思わず息が漏れる様な安心感が魅力。
酔った次の日に味噌汁を飲むと人はとても幸せになれます。
味噌汁、これからもっと飲もう、そう感じた一杯でした。
アクセス
株式会社よしの味噌
広島県呉市吉浦本町3丁目2-20
TEL 0823-31-7527
FAX 0823-31-8723
定休日/日、祝、第2土曜、第4土曜日
営業時間/午前 10:00 ~ 午後 6:00
よしの味噌オンラインショップ
ヤフーショッピング
コメント