こんにちは、ポップジャパンPRチームの酒井です。
皆さん、最近ゲームしていますか?
私は人生をゲームだと思っています。
さて、そんなゲームですがここ数年で大きく躍進を遂げていることについてご存知でしょうか。
eスポーツという言葉が生まれていくらか時が経ちましたが、今ほどそのブームを肌で感じられる時はなかったでしょう。
ということで今回はそのeスポーツのムーブメントの只中にいる広島県eスポーツ振興会にお邪魔してきました。
ゲームと地域の繋がりが生む新しい価値の創造について伺います!
広島県eスポーツ振興会とは
今回お話を伺ったのは、広島県eスポーツ振興会の代表である池田さん。
eスポーツキャスターやイベンター、eスポーツ専門学校担任講師など様々な肩書でeスポーツ業界に関わっていらっしゃる方です。
本日はよろしくお願いいたします。
まず初めに広島県eスポーツ振興会の団体としての目標や取り組みについてお伺いしたいです
広島県eスポーツ振興会では、広島県でのeスポーツの普及、eスポーツを通した地域活性を目標としています。
地域の中でeスポーツが普及し活発になれば、人が集まりやすい場になり、そこで新しい市場や就業先が生まれると思うんです。
eスポーツと広島県の企業や団体が互いにWin-Winな関係を築けるようにお手伝いすることで経済的な追い風を生み、eスポーツという文化自体を大きくしていければ、と考えております
広島県をよりeスポーツの盛んな地域にして地域全体で盛り上がっていきたい、というわけですね。
では、その目標に向けて団体ではどのようなことに取り組んでいらっしゃるのでしょうか?
団体ではeスポーツを普及させる場を作ったり、プレイヤーの方々をサポートし活躍できる場・環境を作ったり、といった活動を行っております
では、それぞれについてお伺いいたします。
まず、「eスポーツを普及させる場」について詳しく教えていただきたいです。
例えばその場とはどういったものなのでしょうか?
そうですね、我々の活動の中だとeスポーツに関するイベントがそれにあたると考えています。
ゲームの体験会、講習会を開催することで、参加者にとっての最初の一歩目のきっかけを作るというのが「eスポーツ普及の場」を作る活動ですね
確かにゲームにあまり興味が無かったり、理解が無かったりだと最初の一歩目が踏み出しづらいですよね。
始めるためにゲーム機やパソコンを買って、ゲームソフトも買って、となると中々費用の負担も大きいですし。
体験会や講習会を開いて貰えたらちょっと触ってみようかなって思いますね。
では、開催側としてイベントを通して気付いたことというか、eスポーツ普及に必要だなと感じられたことはありますか?
そうですね、過去のイベントで格闘ゲームの体験会・対戦会を実施した際にゲームの画面を大きく別画面で写してパブリックビューイングの形をとったんです。
その結果、ゲームをプレイしている方が楽しいのは勿論として、ゲームを見る楽しみ方というものも一緒に伝えられたかなと思います。
eスポーツは究極的に言えばプレイヤーを増やすだけではなく、見られること、つまり見て楽しむ方法を伝えていくことでも普及に繋がるのではないかと思います
昨今ではゲームをプレイしている様子を見る、というのも文化として根付いてきていますよね。
最近だとプロゲーマーとストリーマー(動画配信者)、バーチャルYouTuberなど様々な文化圏の方が集まるゲームの大会がありましたし。
ゲームはプレイするものでもありつつ、見る娯楽としても進化していっていますよね。
池田さんのeスポーツキャスターというお仕事もこの見る側にフォーカスを当てた職業かと思うのですが
スポーツって実況や解説があることで盛り上がりのポイントや注目するべきポイントが明確になりますよね。
それはeスポーツも同じで、実況・解説が付くことで見ている方にここを見た方が良いぞ! というのを共有できてより楽しみやすくなるんです。
これもeスポーツがプレイするだけでなく、見られる娯楽としても進化しているからこそ生まれた文化なんじゃないでしょうか
認知を広げていくという点において、魅力を分かりやすい形で伝えていくことは非常に重要ですもんね。
認知を広げるというと見せていただいている資料ではお子さん向けのイベントの様子もありますね。
これらはどういったイベントだったんですか?
実は子どもやその家族に向けた体験会なども開催しているんです。
これが本当に参加される方の反応が良くて。
以前、地域から開催を依頼された親子体験会があったんですけど、お子さんも親御さんも非常に良い表情をしてくれるんです。
親子で一緒のゲームに向かうという体験はなかなかないですからね。
イベントを通じて、eスポーツの楽しさが親子ともに伝わってくれたんじゃないかなと思っています
eスポーツの未来を担うのは子どもたちですもんね。
その子どもにも、そのご家族にも、文化としてのeスポーツを知って貰うのは認知拡大に確かに不可欠です
ではここで、団体の取り組みのもう一つ、「プレイヤーが活躍する場・環境を作る」についてお伺いいたします。
これはどのような取り組みを指していらっしゃるのでしょうか?
これはプレイヤーたちが磨いてきた実力を発揮する場を我々で作ることを指しています。
大会などの主催や運営をすることによって、競技の場とコミュニティを加速させることを目指しています。
大会などの数が少ないと実力を試す場がないですもんね。
競技シーンにおいてはそういった大会の開催数によってかなりプレイヤーの数、ファンの数も影響されるかと思います。
では、具体的に過去に開催したイベントなども踏まえて詳しく教えてください
広島県eスポーツ振興会が初めて主催した大会のお話からさせていただきます。
当時はコロナ禍で人が集まってゲームをする、ということが難しくなっていました。
そんな中でeスポーツならオンライン大会を開催できる、ということで全国の大学生や専門学生を対象にした大会を開催しました。
広島県から後援をいただきながらこういった大会を何度も重ねていったことによって、一般の方も参加できるような大きな大会に成長していきました
なるほど、場所に囚われづらいeスポーツがコロナ禍で急成長を遂げたことは納得できますし、そこで大会を開催することによって疑似的に人が集まる場を作ったわけですね
そしてそこから県内の高校eスポーツ部の活動の場づくりにも参加していくようになりました。
三原市のeスポーツ協会HeSOが主催する県内eスポーツ部を対象にした大会に、企画や運営として参加しました
そうか、最近だとeスポーツ部というのも生まれてきているんですね。
学校に活動を認めてもらうためにも、高校生大会などの場が必要になってくるわけですね
近年、全国的にeスポーツ部は増えてきていますからね。
ところで酒井さんは広島県のeスポーツ部って他県に比べて多いと思います? 少ないと思います?
えー、どうでしょう。
分からず屋が多い県ですからね、少ないんじゃないでしょうか
実は多い方なんです。
これは他県の高校生や団体からも羨ましがられることなんですよ。
土壌として広島はeスポーツが受け入れられやすいんだと思っています。
ただそれに甘えず、多くの方に受け入れてもらうための取り組みを実施してきました。
具体的には広島県や県の教育委員会から後援をいただき、学校でeスポーツ部を発足させる意味や意義などを発信する一般向けのセミナーを開催して、更なる発展に向けた活動を行ったんです。
講師には広島工業大学の教授や先ほどのHeSOの会長をお呼びして、教育・eスポーツシーンの現場から必要性を訴えました
やはり理解してもらうためにはeスポーツというものについて、現場側からも発信していかないといけない訳ですね
そういうことです。
そして、場作りの最後に「共催」です。
広島県のプロeスポーツチームや広島県にゆかりのあるバーチャルYouTuberと共に複数回の大会を共催しました。
この取り組みではプレイヤーの活躍の場を増やすと共に、地域コミュニティの発展、地域性とeスポーツの親和性、そして協賛を得るための導線作りなどについての知見が得られたかと思います
eスポーツの発展には理解の他にも市場の大きさが必要になってきますよね。
知見が得られた部分というのはまさにそういった市場に関わってくる部分。
企業や団体、自治体などがそこに参入する理由を作っていくというのも活動の中で求められてくるわけですね
共催した大会により、出演したキャストが協賛企業に後にお仕事を頼む、という流れができました。
Win-Winな経済のサイクルが取り組みによって生めたんじゃないかなと思います
スポンサー企業にとっても、ただ出資するだけじゃなくその経済に入れることが大きな意味であり目的になりますもんね。
そのサイクルが波及していけば団体としても文化としてもより大きくなっていけるでしょうね
そういう流れでいうと、eスポーツのデバイスを扱う企業様と共にイベントを開催したこともあります。
eスポーツはデバイスのこだわりが表れやすいので、そういったゲーミングデバイスとイベントの親和性も非常に高いですね
確かにプレイヤーは一人一人、マウスやキーボード、モニターなどに拘りがあるようですね。
自分に合ったものを見つける機会を生むのも大切そうです。
2024年のeスポーツシーン
ここまで団体としての取り組みについてお伺いしましたが、ここからは2024年の競技シーンの隆盛についてお伺いします。
つまるところ、今年の競技シーンはこのゲームが来るぞ! というのをお聞きしたいです
全てのゲームがもちろん熱いんですが、今の競技シーンで盛り上がりがあるものについて何個か挙げますね
VALORANT
ライアットゲームズが開発する5人対5人のシューティングゲーム、VALORANTです。
攻撃と防衛に分かれて、攻撃側は爆弾を設置して起爆する、防衛側は設置の阻止もしくは設置された爆弾を解除する、というのがゲームの大きな流れです。
こういった爆弾を設置するシューティングゲームというものは昔からあったのですが、VAROLANTでは使用するキャラクターにそれぞれ特殊能力があったり、必殺技があったりとキャッチ―に落とし込みつつ、それらが複合的に合わさることによって生まれる高い戦略性が魅力になっています。
ゲーム性の改善や調整も盛んで競技性も高く、プレイ人口も非常に多いので2024年もゲーム業界を引っ張っていってくれるタイトルだと思います
基本プレイが無料なところも参入しやすいポイントですね。
爆破系という硬派なジャンルの中に、キャラクターごとのスキルがあるだけでこれほどプレイヤーの層が広がるのかと驚きました。
間違いなく人気があるジャンルですし、キャラごとに役割が明確にあるのでチームを作って活動するのにピッタリですね
League of Legends
続いてこちらもライアットゲームズのLeague of Legends(LoL)です。
こちらは5人対5人で戦い、先に敵陣地の塔を破壊したほうが勝利するゲームです。
サービス開始から15年以上経ちますが、世界的なeスポーツのタイトルといえばまず間違いなく名前が挙がる長寿タイトルです。
高校生の全国大会のタイトルにも選ばれていますし、今年の初め頃からストリーマーを中心に大きなムーブメントとして動き出した感じがありますね。
チャンピオン(使用キャラクター)も140体以上と、組み合わせは無限大で奥深いゲームです
ゲーム好きなら一度は見聞きするタイトルですね。
私も友人から一緒にやろうと4年くらい誘われ続けています。
今年は動画配信サイトなどで特に配信数が増えたように感じます。
既に人気だったゲームですが、ストリーマーの影響もあって今年はさらに国内での人気が爆発しそうですね
ストリートファイター6
お次はカプコンから発売されているストリートファイター6です。
1対1、徒手空拳(?)でキャラクター同士が戦い合うという硬派なゲーム性が魅力。
格闘ゲームの金字塔スト2の登場から30年以上経ち、格闘ゲームはここまで進化しました。
今までの多くの格闘ゲームに必須だったコマンド入力を廃したモダン操作の登場をはじめ、格闘ゲームを楽しむまでにあった参入障壁がことごとくなくなった今作は初めての格闘ゲームにもピッタリだと思います。
また、プロシーンでは地域や国の対抗戦のような様相があり、推しの選手やチームへの応援に熱が入ることまちがいなしだと思います
格闘ゲームはどこまでもストイックな印象ですよね。
他のゲームと比較して選手の息が長いので選手一人一人に思い入れが強くなるのも格闘ゲームの魅力かと。
個人的に格闘ゲームが好きなのでストリートファイターリーグ(SFL)の応援は毎度白熱しましたね。
広島TEAM iXAのハイライトはもう噛り付くように見ました。
特に好きなのは忍ismとの延長戦!(みんな見てね!)
今後のeスポーツの発展とeスポーツの魅力
池田さんは今後、日本のeスポーツシーンはどのような発展を遂げていくと考えていらっしゃいますか?
日本のeスポーツシーンはプロゲーマーに限らず、ストリーマー・バーチャルYouTuberと大きく関わりがあります。
彼らがコミュニティを揺さぶり動きを生んでいく、それが今後のeスポーツシーンの発展に寄与してくれるんじゃないかなと思います
日本は特にそういった配信者たちが界隈を動かしていく力が強いですよね。
ゲーム業界全体で、プロゲーマー・配信者が手を取り合って界隈を盛り上げていこうという機運が高まっているように感じます
そうやって様々な経路から集客をして、様々な客層を取り込んで、市場を大きくしていくというのが今後の課題かと思います
それでは最後に、池田さんの思うeスポーツの魅力を教えてください。
はい、eスポーツは世代やハンディキャップの有無などを超えて同じ舞台で競えるという魅力があります。
そういった点で、多くの方と繋がれる、コミュニティに参加できるというメリットがあるかと思います。
競技だけにとどまらず、人と人が繋がる場としてのeスポーツにも目を向けてもらいたいです
eスポーツを通じて様々な人と関われる、というのは非常に魅力的ですね。
世代やハンディキャップを超えてというのも理想論ではなく実際にシーン全体で確認できます。
メンバー全員が高齢者のシニアプロチームが存在したり、格闘ゲームの世界的な大会で全盲の選手が勝利したり、誰もが同じように競えるという点が昨年大きな話題となりました
60歳以上の方を主に対象とした全国健康福祉祭(愛称:ねんりんピック)でもリズムゲームの『太鼓の達人』が公式競技になっていたりと、eスポーツの世界は今でも世代を超えて拡大を続けています。
実は認知症予防の観点からもeスポーツは期待されていますし、若い世代だけのものにせず、全ての年代で楽しんで欲しいですね。
また、色覚サポートやサウンドアクセシビリティなど、様々な特性を持った方々がプレイできるような工夫が現在のゲームでは多く実装されています。
ゲームの世界はまだまだ可能性に満ち溢れています
数えきれないゲームのタイトルの数だけ飛び込める世界があるって素敵な話ですよね。
本日はありがとうございました。
ポップジャパンもeスポーツの発展を心より願っております
ありがとうございました
まとめ
ということで今回は、eスポーツの現場から活動について、現在のムーブメント、今後の動き、そして魅力についてお伺いして参りました。
我々が思っている以上にゲームってもう生活に寄り添ったものなのかもしれないですね。
吹き荒ぶ風のポップジャパンも何かしらでeスポーツの発展にご協力できたらな、と考えております。
あ、eスポーツチームのシャツとか作れますよ!(宣伝)
それではまたストリートファイター6にサイキョー流師範が実装されることを祈りつつ、トレーニングモードに戻ります。
取材先
広島県eスポーツ振興会
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