こんにちは。ポップジャパンの石川です。
先日7月2日のことですが、会社見学というカタチでポップジャパンに安田女子大学の家政学部造形デザイン学科の学生さま6名と杉山陽二(すぎやま ようじ)教授がお越しになりました。
歓迎の幕も作りました。
こちらの「造形デザイン学科」では
来たるべきAI時代に、人・情報・技術の調和ある社会の担い手として、生活の質向上、社会イノベーションの推進に貢献できる人材を育成・輩出する事が目的
とされていて、様々な角度・アプローチからデザインの力を育成し学ばれているのだとか。
40年以上の歴史の中で培われた製造業のノウハウに、現在デザインの力をプラスしながら新たな布印刷製品の可能性を展開しているポップジャパンとしても通じる点が多いように感じます。
実際に「デザインの現場」「モノ作りの現場」を見学していただくことで、今後の学生生活や、就職活動の中でのヒントになればと思いながら、不肖石川も頑張って社内を案内しました。
「やはり企業ということで、シークレットな部分もあるのでしょうか?」
「特に無いですね。全部見ていってください」
今回ののぼりラボは、そんな「全部見ていただいた様子」のレポートです。
ポップジャパンの考え方と取り組みの概要
まずはご挨拶とポップジャパンの概要をご紹介。
弊社の稲田次長から、現在の取り組みと会社としてデザインやプロダクトについてどう考えているか、そして「お客様に喜んでもらうこと」の意味について緩急織り交ぜながらの説明が続きます。
2年に1度広島で開催される「国際アニメーションフェスティバル」(今年は8月23日から27日の予定で開催されます)のポスター前での熱弁。
ポップジャパンもこちらのイベントのプロモーションに関わっており、「布印刷工場」という枠を越えた取り組みを紹介させてもらいました。
【第17回広島国際アニメーションフェスティバル HIROSHIMA 2018】
続いては実際の現場を見学して頂きます。
デザインルーム
こちらがポップジャパンのオリジナルデザインが生み出される部屋です。
壁には日々新聞広告から「今日イチの広告だ!」とデザイナーがピックアップしたものがスクラップされています。
画像は周年イベントなどで利用される予定の「はっぴ」を紹介。ポップジャパンで製造できる商品の幅、あるいはそこに乗るデザインの幅について説明しました。
制作室
ポップジャパンの製造ラインに送られるデザインデータは必ずこの部屋を通り、印刷可能なデータのカタチに処理されていきます。
ここでは「データ処理を行う上で必要なスキル」についてご質問をいただきました。
PCやソフトについて知識があることはもちろん大事ですが、布に印刷することの特性や現場で扱っている印刷機、インクなどの特性をよく理解すること。違和感に気がつく目や勘の良さが必要と説明させていただきました。
プリンター室&転写室
続いてプリンター室。こちらでは昇華転写に用いられる転写紙に印刷データが13台のプリンターでガンガンプリントされています。
そして印刷を終えた転写紙は転写室へ。実際に布へ印刷されていく様子を見て頂きながら説明は続きます。
昇華転写によって印刷を行うメリットの一つとして扱える生地の幅広さがあります。
一般的にのぼり旗で使われる安価で軽い「ポンジ」と呼ばれるものから、帆船の帆にも使われるような「帆布(はんぷ)」と呼ばれる生地までポップジャパンでも様々な生地を取り扱っていて、商品の幅が広がっています。
画像はそんな帆布生地を使って施策したバッグ。
やはりデザインとモノづくりに関わる学科の生徒さんたちだけあって、明らかに興味を持っていただけました。
製品として仕上がる縫製作業はウケが良かった!?
縫製室
布にデザインを印刷しただけでは、まだまだ商品としては不完全。縫製という工程を経て「実際に使える製品」として工場から世の中に送り出されていきます。
こちらはのぼり旗に「チチ」と呼ばれるポールにのぼり旗を取り付ける部品を縫い付けるミシン。一気に縫い上げる様子に目を奪われています。
続いて、アパレル関係やバッグ、試作品を作る縫製室へ。
ここでは提案用のサンプル品や、社内での実験や施策で制作したものが多数あり、学生さんたちも「可愛い」「欲しい」と今日イチの盛り上がりでした。
自分で染めた生地の画像をPCで取り込み、画像処理ソフトでランダムに変化させたものをテキスタイルとして利用したり、社員発のアイデアを実際にカタチにしてみたりなどフレキシブルなプロダクト。そして女性ならではの視点から生み出される製品群の惹きつけるパワーを僕自身も改めて実感しました。
ポップジャパンの誇る印刷技術
最後は昇華転写とともにポップの印刷技術を支える2本柱のもう一本。捺染印刷の現場を紹介します。
最初に製版から。
薬品を塗布した布を型枠にはめ込んだ「版(はん)」を作る現場を見学していただきました。
一昔前であれば「プリントゴッコと同じ原理です」と言えば大体通じていたのですが、最近のそれも大学生のみなさんとなると、「プリントゴッコ」をご存知で無いため、ちょっと説明が複雑になってしまいました。
そして実際に刷っている捺染機のそばへ。
大掛かりな機械の迫力に驚きながらも、一色ずつ色が加わり、最終的にカラフルな印刷物が出来上がる様子に興味を抱いて頂けました。
そして調色へ。
こちらは捺染で使われるインクを作る部屋となります。
実際に布に印刷されたものが、要求されている色合いと違わずに発色されるか否か。
積み重ねられたノウハウとデータ、そして最後は職人の感覚と目による精密な作業が要求されます。
見学を終えて
若干長丁場となってしまいましたが、日々ポップジャパンが何をしているのかという様子を見学していただきました。
それぞれに感想を伺ったのですが、実際にデザインしたものが形となることの面白さや、製造の現場スタッフの正確な動きが印象に残ったと、大変喜んでいただけました。
また案内をさせていただいた我々としても、「女子大生の目を通して見える自社の魅力や強み」について知ることができ、どこが「ウケるのか」「おもしろく感じられるのか」というポイントの発見にもつながりました。
こうしたデータをリクルート活動のなかに反映していくことものぼりラボとしては、強く取り組んでいきたい部分です。
安田女子大学のみなさま。本当にありがとうございました。
またいつでも気楽に遊びに来てください。
以上、ポップジャパン工場見学のレポートでした。
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