以前にものぼり旗の歴史については触れました。
その起源には色々な説があるようですが、有力な一説によると「平安時代にはすでに幟が使われていた」というから驚きです。
主な利用目的は今も昔も変わらずに「目立たせるため」「目印にするため」。
形状こそ、現在のような上・横の2辺を固定したものではない、どちらかと言えば「吹き流し」に近いものなのだそうですが、
「どうしたら人の目につくかな…そうだ!布を棒につけて目印にしよう」
という考え方自体は1000年以上前からあったというのですから、のぼり旗の有効性というのは歴史が照明していると言っても過言ではなさそうですね。
現在の2辺を固定した、「旗」といった形状になったのは戦国時代のころと言われています。
よく大河ドラマでも、武士が背中に旗をつけて戦場を走り回る姿が描かれますよね。あれです。
なぜワザワザそんな邪魔そうな旗を背中につけて走らなければ行けなかったのか。
理由は簡単ですね。「自分の所属を知らせるため」です。
また無数の旗が動き回る様子によって、敵軍に「どうだ!こんなに大量の兵隊がいるんだぞ」と見せ、威嚇や警告の意味を持たせていた、とも言われています。
確かに、茂みの向こうから敵の旗がわんさかと出てきたら戦意を喪失しそうなものですよね。
布と棒をつなぐ乳(ちち)と呼ばれるパーツ(?)が生まれたのも、この頃なのだそうです。
因みに乳(ちち)というなの由来は、規則正しく並ぶさまが犬の乳房に似ていたからと言われています。結構そのままの意味ですね。
戦国時代が終わりを告げ、天下泰平の世になって戦(いくさ)が無くなっても、のぼり旗の仕事はなくなりませんでした。
なにせ「目立つこと」を目的に進化してきたツールです。
今度は店頭に立ち、お店を目立たせてお客を呼び込む手段として商人を中心に利用され始めました。
現代の「のぼり旗」的な使われ方にようやく落ち着いたといった感じですね。
戦時でも平時でも、ただ目立つからという一点で利用され続ける「のぼり旗」。
見事なポテンシャルだと思いませんか?
実を言うと、現在では屋外設置型の集客ツールでは店頭黒板やデジタルサイネージの勢いに押され気味ののぼり旗ですが、何しろ安くて、軽くて、簡単に取替できるという魅力ポイントは他の追随を許しません。
布なんで片付けておくことも簡単ですしね。
そこに、この歴史の重みです。日本人の歴史とともに時代を渡り歩いてきたのぼり旗。
ちょっとその効果を試してみてはいかがでしょうか?
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