印刷物を作るときに、データをどのように準備するかはとても大切です。
その中でも特に注意が必要なのが「CMYK入稿」と「RGB入稿」の違いです。
「入稿」とは、印刷用のデータを印刷所に提出することを指しますが、適切なカラーモードを選ばないと、仕上がりの色がイメージと違ってしまうことがあります。
では、CMYK入稿とは何か、RGB入稿との違いを交えて詳しく見ていきましょう。
CMYKとは?
CMYKとは、シアン(Cyan)、マゼンタ(Magenta)、イエロー(Yellow)、ブラック(Key plate)の4色のインクを使って色を表現する方式のことです。
この4色を組み合わせることで、さまざまな色を作り出し、印刷物に再現します。
特に商業印刷では、このCMYKが基本となっています。
RGBとは?
一方、RGBはレッド(Red)、グリーン(Green)、ブルー(Blue)の3色を組み合わせて色を表現する方式です。
これは、パソコンのモニターやスマートフォン、テレビなどのディスプレイで使用される色の表現方法です。
RGBは光の三原色を使っており、明るい色が表現しやすいという特徴があります。
CMYK入稿とRGB入稿の違い
デザインを作るとき、多くの方はパソコンの画面で色を確認しながら作業を進めます。
しかし、パソコンの画面はRGBのカラーモードで表示されるため、RGBのまま入稿すると印刷時に色が変わってしまうことがあります。
そこで、印刷に適したCMYKに変換することが重要になります。
CMYK | RGB | |
---|---|---|
色の再現方法 | インクを混ぜて表現 | 光を混ぜて表現 |
主な用途 | 印刷物 | ディスプレイ(モニター、スマホなど) |
表現できる色の範囲 | RGBよりも狭い | CMYKよりも広い |
仕上がりの特徴 | 落ち着いた色合いになりやすい | 鮮やかで明るい色が多い |
なぜCMYK入稿が必要なの?
印刷所で使用されるプリンターは、基本的にCMYKインクを使って色を再現します。
そのため、RGBのデータをそのまま印刷すると、色がくすんでしまったり、思っていた色と違う仕上がりになることがあります。
特に、鮮やかな青や緑、蛍光色などはRGBでは表現できますが、CMYKに変換するとくすんでしまうことが多いです。
そのため、あらかじめCMYKモードでデザインを作成し、色の変化を確認することが大切です。
CMYK入稿のポイント
CMYK入稿をスムーズに進めるために、以下のポイントを押さえておきましょう。
- データをCMYKモードで作成する
デザインソフト(IllustratorやPhotoshopなど)で作業する際は、最初からCMYKモードで作成するのが理想的です。
RGBで作ってしまうと、後からCMYKに変換したときに色が大きく変わる可能性があるためです。
- RGBで作成したデータをCMYKに変換する
もしRGBモードで作成してしまった場合は、入稿前にCMYKモードへ変換しましょう。
ただし、変換すると色が変化することがあるので、変換後の色合いを確認して調整することが重要です。
- カラープロファイルを統一する
カラープロファイルとは、色の基準を決めるための設定です。
印刷所によって推奨されるカラープロファイルが異なる場合があるので、事前に確認しましょう。
「Japan Color 2001 Coated」や「Japan Color 2011 Coated」などが一般的です。 - 濃度オーバーに注意する
CMYKでは、4色を掛け合わせることで色を作りますが、合計のインク量が多すぎると、印刷時にインクが滲んだり、乾きにくくなったりします。
通常、CMYKの合計値(C+M+Y+K)は300%以内に収めるのが理想とされています。
まとめ
CMYK入稿とは、印刷に適したカラーモードでデータを準備することです。
RGBとは色の再現方法が異なるため、RGBのまま入稿すると、仕上がりがイメージと異なってしまう可能性があります。
そのため、あらかじめCMYKで作成し、色の変化をチェックしながら作業を進めることが大切です。
印刷物の色をイメージ通りに仕上げるためには、入稿前にしっかりとデータを確認し、必要な調整を行いましょう。
そうすれば、思い通りの美しい仕上がりが期待できますよ!